小児矯正治療
きれいな歯並びはお子様の健やかな未来を育む大切な「贈り物」です

「うちの子の歯並び、このままで大丈夫かしら?」
「矯正治療は、いつから始めるのが一番良いのだろう?」
大切なお子様の成長を見守る中で、その歯並びについてふと心配になる瞬間があるかもしれません。
私たちが考える小児矯正治療は、単に「見た目をきれいにする」ことだけが目的ではありません。
お子様の骨格がまだ成長段階にあるこの特別な時期にしかできない、非常に価値のある治療です。
それは、顎の健やかな成長を正しい方向へと導き、将来生えそろってくる全ての永久歯がきれいに並ぶための「頑丈な土台」を時間をかけて丁寧に作り上げていくことです。
整った歯並びと正しい噛み合わせ。
それは、お子様がこれから歩んでいく長い人生において、虫歯や歯周病になりにくいという「健康」の礎となり、そして心からの笑顔をもたらす「自信」の源となります。
お子様の一生の財産となる健やかなお口の環境。
それを、親御様からの最高の「贈り物」として私たちと一緒にお子様へ届けていきませんか。
子どものうちに矯正治療を始めるべき理由
大人の矯正治療が、すでに生えそろった歯を動かして歯並びを整える治療であるのに対し、小児矯正は骨格の成長そのものにアプローチできるという決定的な違いがあります。
この違いが、子どものうちに治療を始めることの計り知れないメリットを生み出すのです。
1. 顎の健やかな成長を正しい方向へと導くことができます
お子様の体は日々成長しています。
それは、お口の中の歯を支える顎の骨も同じです。
子どもの時期は、まだ骨が柔らかく成長する大きな力を秘めています。
小児矯正では、この成長する力を利用して、例えば歯が並ぶためのアーチ(歯列弓)が狭い場合にはそれをゆっくりと広げ、将来すべての永久歯がきれいに並ぶためのスペースを確保することができます。
また、上の顎と下の顎の成長のバランスを整えることで、出っ歯や受け口といった骨格的な問題の改善も期待できます。
これは、顎の成長が終わってしまった大人では決して真似のできない小児矯正ならではの最大の利点です。
2. 将来的な「歯を抜く矯正」のリスクを大きく減らせます
大人の矯正治療において、やむを得ず健康な歯を抜くという選択をすることがあります。
その多くは、歯が並ぶためのスペースが顎の大きさに比べて絶対的に不足していることが原因です。
小児矯正で、永久歯が生えそろう前の段階で顎の大きさを十分に広げ、歯が並ぶための土台を整えておくことができれば、将来的に永久歯を抜くことなくすべての歯をきれいに並べられる可能性が飛躍的に高まります。
お子様が生まれ持った大切な歯を一本も失うことなく生涯を共に過ごせるように。
そのための先を見据えた治療が小児矯正なのです。
3. お口周りの望ましくない癖を改善できます
お子様の歯並びは、遺伝的な要因だけでなく日々の何気ない癖によっても大きな影響を受けます。
- 指しゃぶり
- 常にお口が開いている「口呼吸」
- 食べ物を飲み込むときに舌を前に突き出す癖
- 頬杖をつく癖
このような癖は、歯や顎に不自然な力を加え続け、出っ歯や開咬(前歯が噛み合わない状態)といった不正咬合の原因となります。
小児矯正では、矯正装置による治療と並行してこれらの癖を改善するためのお口周りの筋肉のトレーニング(MFT:口腔筋機能療法)も行います。
歯並びを悪くする根本的な原因を取り除くことで、治療後の後戻りを防ぎ長期的に安定した美しい歯並びを実現します。
小児矯正治療の二つのステップ
小児矯正は、お子様の成長段階に合わせて大きく二つのステップに分かれています。
すべての症例で両方の治療が必要となるわけではなく、お子様のお口の状態によって1期治療のみで完了する場合もあります。
治療期 | 時期 | 目的 | 特徴 |
1期治療(骨格矯正期) | 小学校低学年~中学年頃(混合歯列期) | 顎の骨の大きさやバランスを整え、永久歯が正しく生えそろうための「土台作り」 | 取り外しできるプレート状の装置などを使用 |
2期治療(歯列矯正期) | 中学生以降頃~(永久歯列期) | 一本一本の歯を精密に動かして最終的な美しい歯並びと機能的で安定した噛み合わせを完成 | ブラケットとワイヤー、マウスピース型矯正装置など |
1期治療(骨格矯正期):小学校低学年~中学年頃(混合歯列期)

乳歯と永久歯が混在するこの時期は、顎の骨が最も活発に成長するまさにゴールデンエイジです。
1期治療の目的は、この成長期を利用して顎の骨の大きさやバランスを整え、永久歯が正しく生えそろうための「土台作り」を行うことにあります。
主に取り外しのできるプレート状の装置などを用い、狭い歯列弓を広げたり上下の顎の成長をコントロールしたりします。
この時期に歯が並ぶための十分なスペースを確保し、骨格的な問題を解決しておくことで、次の2期治療をよりシンプルに短期間で終えること、あるいは2期治療そのものが不要になる可能性を高めることができます。
2期治療(歯列矯正期):中学生以降頃~(永久歯列期)

すべての歯が永久歯に生えそろってから行う治療で、基本的には大人の矯正治療と同じアプローチになります。
1期治療で整えた土台の上に、一本一本の歯を精密に動かして最終的な美しい歯並びと機能的で安定した噛み合わせを完成させることが目的です。
ブラケットとワイヤーを用いた装置やマウスピース型矯正装置など、お子様のご希望やライフスタイルに合わせた装置を選択します。
治療を始める最適なタイミングとは?
「うちの子の矯正治療、いつから相談するのが一番良いのでしょうか?」これは、親御様から最も多く寄せられるご質問の一つです。
私たちは、画一的な「〇歳から」という基準ではなく、まず一度「小学校に入学する前後、6歳~7歳頃」に専門家によるチェックを受けることを強く推奨しています。
この時期は、前歯が乳歯から永久歯へと生え変わり始める、お口の一番奥に最初の永久歯である「六歳臼歯」が生えてくるといった、お口の中がダイナミックに変化する時期です。
このタイミングで、上下の顎のバランスやこれから生えてくる永久歯のためのスペースが十分にあるかどうかなどを確認することで、将来起こりうる歯並びの問題を高い精度で予測することが可能になります。
もちろん、お子様の成長発育には個人差がありますので最適な治療開始時期は一人ひとり異なります。
受け口の傾向がある場合など、もっと早い時期からのアプローチが望ましいケースもあります。
大切なのは、親御様が「少し気になるな」と感じたその瞬間です。
「まだ早いかもしれない」とご自身で判断なさらずに、まずはお気軽にご相談ください。
早すぎるということは決してありません。
当院の小児矯正で用いる主な装置の種類
お子様のお口の状態や治療の目的に応じて、様々な種類の装置を使い分けます。
拡大床(プレート装置)
取り外しが可能なプレート状の装置です。
装置の中央にあるネジをご家庭で少しずつ回していただくことで、プレートが左右に広がり顎のアーチをゆっくりと拡大していきます。
主に夜間の就寝中などに装着していただきます。
機能的矯正装置
上下の顎の骨の成長バランスに不調和がある場合(出っ歯や受け口など)に用いる装置です。
お口周りの筋肉の力を利用して、下顎の成長を促したり逆に上顎の過度な成長を抑制したりと骨格的な改善を目的とします。
口腔筋機能療法(MFT)のための器具
舌を正しい位置に置くためのトレーニングや、お口を閉じる筋肉(口輪筋)を鍛えるための様々な器具やトレーニングメニューをご用意し、歯並びを悪くする根本的な癖の改善をサポートします。
親御様と私たちとの三人四脚
小児矯正治療を成功へと導くためには、私たち歯科医師の力だけでは不十分です。
お子様ご本人の「治したい」という前向きな気持ちと、そして何よりも日々お子様に寄り添う親御様の温かいサポートが不可欠となります。

お子様へのお約束
私たちは、お子様が「歯医者さんは楽しい場所だ」と感じてくれるよう常に笑顔でそして優しい声かけを忘れません。
治療を無理強いすることは決してなく、お子様の小さな「できた!」を一緒に喜び自信に繋げていきます。
親御様へのお願い
治療の主役はお子様です。
装置を時間通りに使うこと、お口の中を清潔に保つこと。
日々の生活の中で、お子様が頑張っていることを見つけたらどんなに些細なことでもたくさん褒めてあげてください。
親御様からの「すごいね」「頑張ったね」という言葉が、お子様にとっては何よりの原動力となります。
お子様のお口のことで少しでも気になること、不安なことがございましたらどうぞ一人で抱え込まずにいつでも私たちにご相談ください。
お子様の健やかな成長と輝く未来のために。
親御様と固い信頼関係を築き、最高のチームとして最後まで伴走し続けることをお約束します。