入れ歯(義歯)
「入れ歯」という言葉にあきらめを感じていませんか?
「入れ歯は痛いのが当たり前」
「何度も作り直したけれど結局合わない」
「見た目が気になって人前で口を開けるのが億劫になった」
歯を失い入れ歯をお使いの方、あるいはこれから入れ歯を検討されている方の中にはこのようなお悩みやある種の「あきらめ」にも似た感情を抱いている方が決して少なくありません。
他の歯科医院で「これ以上のものは作れない」と言われ、合わない入れ歯を我慢して使い続けている方もいらっしゃるかもしれません。
私たちはまずその「あきらめ」の気持ちを希望へと変えるお手伝いをしたいと考えています。
入れ歯は単に失った歯の機能を補うだけの仕方なく使う道具ではありません。
あなたにもう一度「食事を心から楽しむ喜び」と「思いっきり笑える自信」を取り戻してもらうための大切な体のパートナーです。
「痛い」「外れる」「噛めない」「見た目が悪い」
そんな入れ歯の悩みを解決できる場所でありたい。
それが私たちの入れ歯治療に込める想いです。
そもそも「入れ歯(義歯)」とはどのようなものでしょうか

入れ歯(義歯)とは虫歯や歯周病あるいは不慮の事故などによって失われてしまった歯を補うためのご自身で取り外しが可能な人工の歯のことです。
その役割は単に食べ物を噛む機能を回復させるだけにとどまりません。
入れ歯の重要な役割
- 残っている他の健康な歯が歯のないスペースに倒れ込んでくるのを防ぎお口全体の噛み合わせのバランスが崩れるのを守る
- お顔の輪郭を自然に保ち頬や唇に張りをもたせ若々しい表情を維持する
- 正しい発音を助け円滑なコミュニケーションを支える
入れ歯には失った歯の本数や場所によって大きく分けて二つの種類があります。
種類 | 適用 | 特徴 |
総入れ歯(全部床義歯) | 上顎あるいは下顎の歯をすべて失ってしまった場合 | 歯茎の粘膜の上に乗せる形でお口に吸着させて安定させる |
部分入れ歯(部分床義歯) | 歯が一本でも残っている場合 | 残っているご自身の歯にクラスプと呼ばれる金属のバネなどをかけて入れ歯を固定する |
歯を失ったまま放置することの大きなリスク
「数本歯がないくらい生活に支障はないから」と歯を失った状態をそのままにされている方もいらっしゃいます。
しかしその判断が将来的に取り返しのつかない問題を引き起こす可能性があることを私たちは知っておいていただきたいのです。
残っている健康な歯への過剰な負担
歯を失うと食事の際に残っている歯だけで、全ての噛む力を受け止めなければならなくなります。
これにより健康な歯に過剰な負担がかかり続け、歯が割れてしまったり歯周病が進行しやすくなったりと次々と他の歯を失っていく負の連鎖に陥る危険性が高まります。
お口全体の噛み合わせの崩壊
歯が抜けたスペースには隣の歯が徐々に傾いてきたり、噛み合っていた向かいの歯が伸びてきたりします。
このドミノ倒しのような現象がお口全体の噛み合わせのバランスを少しずつ、しかし確実に狂わせていきます。
噛み合わせのズレは顎の関節に負担をかけ、顎関節症や頭痛、肩こりといった全身の不調に繋がることも少なくありません。
顎の骨が痩せていくという現実
歯を支えている顎の骨(歯槽骨)は歯があって噛むことによる適度な刺激が加わることでその健康が維持されています。
歯を失うとその部分の骨には刺激が伝わらなくなり徐々に痩せ細っていきます。
骨が痩せてしまうと、将来的にインプラント治療を希望された際に選択肢が狭まったり入れ歯がさらに安定しにくくなったりします。
「痛い」「合わない」を過去のものにする当院の精密入れ歯作製
「入れ歯はなぜ合わなくなるのでしょうか?」
その答えはお口の中が常に変化し続けているからです。
歯を支えていた顎の骨は少しずつ痩せ、歯茎の形も変わっていきます。
そのため作製した当初はぴったりと合っていた入れ歯も時間と共にズレやガタつきが生じ、痛みや違和感の原因となるのです。
だからこそ入れ歯作りにはその瞬間の状態をいかに精密に写し取り、機能的で快適な形へと昇華させるかという非常に高度な技術と一切の妥協を許さない姿勢が求められます。
当院では患者様にご満足いただける入れ歯を作製するために以下の工程を一つひとつ丁寧に行います。
Step1:すべての基本となる丁寧なカウンセリングと診査・診断

まず患者様が現在お使いの入れ歯に対してどのようなお悩みやご不満そしてご希望をお持ちなのかを時間をかけてじっくりとお伺いします。
その上で残っている歯や歯茎、顎の関節の状態、噛み合わせのバランスなどをレントゲン撮影なども含めて多角的に検査し問題点を正確に洗い出します。
Step2:フィット感の基礎を築く「個人トレー」による型採り

精密な入れ歯作りの第一歩は精密な型採りから始まります。
多くの歯科医院では既製のトレーを使って型採りを行いますが、人の顎の形は千差万別であり既製品ではお口の細部まで正確に写し取ることは困難です。
当院ではまず患者様一人ひとりのお口に合わせたオーダーメイドのトレー(個人トレー)を作製します。
この一手間をかけることで歯茎の微妙な動きや筋肉の走行までを精密に再現でき吸い付くようなフィット感の基礎を築くことが可能になります。
Step3:顎の動きまでを再現する噛み合わせの正確な記録
噛み合わせの高さがほんのわずかでも狂っていると、入れ歯は安定せず痛みや違和感の原因となります。
当院では専用の器具(咬合床)を用いて患者様にとって自然で顎に負担のかからない噛み合わせの位置と高さをミリ単位で正確に記録していきます。
Step4:妥協なき仮合わせと微調整
記録した型と噛み合わせを基にまずは蝋(ろう)でできた仮の入れ歯を作製します。
これを実際にお口の中に装着していただき見た目の美しさ(歯並びや色)、フィット感、発音のしやすさ、そして実際の噛み心地などを患者様ご自身に徹底的にご確認いただきます。
この段階で少しでも違和感や気になる点があれば決して妥協はしません。
前の工程に戻ってでも、患者様が心から納得できるまで何度でも微調整を繰り返します。
Step5:ご納得の先にある「完成」

この試適と調整のプロセスを経て患者様に「これなら大丈夫」と心からご満足いただけた時点で初めて入れ歯の完成へと進みます。
入れ歯は歯科医師が一方的に作るものではありません。
患者様と私たちが一つのチームとなって作り上げていく世界に一つだけのオーダーメイド品なのです。
「噛む喜び」と「美しさ」を叶える多様な入れ歯の選択肢
当院では保険適用の入れ歯からより高い快適性や審美性を追求した自由診療の入れ歯まで患者様のご希望とご予算に合わせて幅広い選択肢をご用意しております。
種類 | 素材・特徴 | メリット | デメリット |
保険適用の入れ歯(レジン床義歯) | 歯科用のプラスチック(レジン)で作られた保険が適用される入れ歯 | 費用を抑えることができほとんどの症例に対応可能 | 強度を保つためにある程度の厚みが必要で違和感が出やすい。食べ物の熱が伝わりにくく食事が味気なく感じられることがある。 |
金属床義歯(自由診療) | 入れ歯の床部分(歯茎に接する部分)を金属で作製した入れ歯 | 非常に薄くかつ丈夫に作れるため装着時の違和感が格段に少なく発音もしやすい。食べ物の温かさや冷たさが瞬時に伝わるため食事をより一層美味しく味わうことができる。 | 費用が高い |
ノンクラスプデンチャー(自由診療) | 部分入れ歯を固定するための金属のバネ(クラスプ)がない入れ歯。歯茎の色に近い特殊で柔軟性のある樹脂でできている。 | 装着していることが他の方からほとんど分からない。審美性を重視される方に適している。 | 費用が高い。修理が困難な場合がある。 |
マグネットデンチャー(自由診療) | 残っているご自身の歯の根と入れ歯の双方に超小型の強力な磁石を埋め込みその磁力で入れ歯を固定する方法 | バネを使わないため見た目がスッキリ。横からの力にも強く入れ歯がズレたり外れたりする心配がほとんどない。着脱も非常に簡単。 | 費用が高い。残っている歯の根が必要。 |
インプラントオーバーデンチャー(自由診療) | 顎の骨に数本のインプラントを埋め込みそれを土台として入れ歯を固定する方法 | 入れ歯が顎にがっちりと固定されるためまるでご自身の歯のように硬いものでも力強く噛むことができる。 | 費用が高い。インプラント手術が必要。 |
入れ歯と長く快適に付き合っていくために
作製した入れ歯を長く快適にお使いいただくためには毎日の適切なお手入れと定期的なメンテナンスが欠かせません。
毎日のお手入れを習慣に
入れ歯は専用のブラシを使って毎食後と就寝前に必ず清掃してください。
不潔な状態のまま使用していると口臭の原因となるだけでなく残っている歯が虫歯や歯周病になったりカンジダ菌というカビが繁殖して歯茎に炎症を起こしたりすることがあります。
正しい保管方法
入れ歯は乾燥に非常に弱い素材で作られています。
お口から外している就寝時などは必ず水を入れた専用の容器などに入れて乾燥を防いでください。
定期的なメンテナンスを忘れずに
お口の中は常に変化しています。
作製時にぴったりだった入れ歯も歯茎が痩せたり噛み合わせが変化したりすることで徐々に合わなくなってきます。
合わない入れ歯を使い続けていると痛みが出るだけでなく顎の骨がさらに痩せてしまう原因にもなります。
少なくとも半年に一度は定期検診にお越しいただき入れ歯の調整やお口全体のチェックを受けるようにしてください。
入れ歯のことで悩みを抱えているあなたへ

「こんなに汚れた入れ歯見せるのが恥ずかしい」
「何度も作り直したのにもうあきらめるしかない」
もしあなたがそんなお気持ちでこの文章を読んでくださっているのなら私たちは伝えたいのです。
「どうぞ何も気にせず私たちにご相談ください」と。
私たちは毎日たくさんのお口の中を拝見しているプロフェッショナルです。
そして歯科医療はあなたが思っている以上に日々進歩しています。
他院で「これ以上は無理だ」と言われたとしてもまだ打つ手は残されているかもしれません。
あなたの悩みに真摯に向き合います。
あなたの「もう一度しっかり噛みたい」「思いっきり笑いたい」という願いに私たちの持てる知識と技術のすべてを懸けてお応えします。
あきらめるのは私たちに会ってからでも決して遅くはありません。