口腔外科・親知らず治療
お口周りの「いつもと違う」は私たちにご相談ください
「親知らずが時々うずくように痛む」
「口の中になかなか治らないできものができた」
「転んで口をぶつけてしまい、歯がグラグラする」
口腔外科とは、虫歯や歯周病といった一般的な歯科治療の領域だけでなく、親知らずの抜歯、お口の中のできもの(腫瘍)の診断、顎の骨や関節の問題、そしてお口周りの外傷(ケガ)など、より幅広い疾患に対応する専門性の高い診療科です。
「こんな些細なことで相談していいのかな?」「どこに相談すれば良いのかわからない」と一人で悩みを抱え込まれている方も少なくないかもしれません。
しかし、その「いつもと違う」という感覚こそが専門的な診断を必要とする大切なサインである場合があるのです。
当院には、大学病院の口腔外科などで豊富な知識と経験を積んだ歯科医師が在籍しております。
一般的な歯科医院では対応が難しいと判断されるような症例にも、院内で対応できる体制を整えているのが私たちの大きな強みの一つです。
お口周りのあらゆるトラブルについて、どうぞ安心して私たちにご相談ください。
口腔外科で扱う主な疾患
当院の口腔外科では、以下のような幅広い症状に対応しております。
疾患・症状 | 対応内容 | 特徴 |
親知らずの抜歯 | まっすぐ生えていない、歯茎に埋まっているなど複雑な状態の親知らずの抜歯 | CT診断による安全で低侵襲な手術 |
口内炎・口腔粘膜疾患 | なかなか治らない口内炎や、舌、歯茎、頬の粘膜などに現れたただれや色の変化の診断 | 2週間以上続く場合は要精査 |
口腔内のできもの(腫瘍)の診断 | お口の中にできたしこりや膨らみなどが良性のものか専門的な検査が必要なものかを見極め | 提携医療機関への紹介体制完備 |
顎関節症 | 「顎が痛い」「口が開けにくい」「音が鳴る」といった顎の関節に関する症状の診断と治療 | 包括的な原因分析と治療 |
歯や顎の外傷(ケガ) | 転倒や衝突などで歯が欠けたり抜けたり、あるいは唇や舌を切ってしまった場合の処置 | 緊急対応可能 |
インプラント治療などの外科処置 | インプラントを埋め込むための手術や、それに伴う骨の造成など高度な技術を要する外科処置 | 大学病院レベルの技術提供 |
親知らずの悩み:抜くべきか、残すべきか
口腔外科で最もご相談の多いお悩みの一つが「親知らず」に関するものです。
「痛い」「腫れる」といったイメージが強く、多くの方が不安を抱えていらっしゃいます。

そもそも「親知らず」とは?
親知らずとは、前歯から数えて8番目、一番奥に生えてくる永久歯のことで正式には「第三大臼歯」あるいは「智歯(ちし)」と呼ばれます。
多くの場合、20歳前後に生えてくるため親がその存在を知らないことから「親知らず」という名がついたと言われています。
現代人は食生活の変化などにより顎が小さくなる傾向にあり、この親知らずがまっすぐに生えてくるための十分なスペースがないことがほとんどです。
そのため、横向きに生えたり歯茎の中に埋まったままだったりと様々なトラブルの原因となりやすいのです。
すべての親知らずを抜く必要はありません
「親知らずは生えてきたら必ず抜かなければならない」そう思われている方もいらっしゃいますが、決してそんなことはありません。
お口の中に悪影響を及ぼすことなく正常に機能している場合は、無理に抜く必要はないのです。
抜歯が不要なケースの例
- 上下の親知らずがまっすぐに生えており、きちんと噛み合っている場合
- 完全に骨の中に埋まっていて、今後も問題を起こす可能性が低いと判断される場合
- 手前の歯を失ってしまった場合にブリッジの土台として利用できる可能性がある場合
抜歯が推奨される親知らずのトラブル
一方で以下のような状態の親知らずは、ご自身の健康を守るために抜歯を検討した方が良いと言えます。

智歯周囲炎(ちししゅういえん)
親知らずが中途半端に生えていると歯と歯茎の間に深い溝ができ、そこに細菌が溜まって歯茎が激しく腫れたり痛みが出たりします。
体調が悪い時などにこの炎症を繰り返すことが多くなります。
虫歯
一番奥にあって歯ブラシが届きにくいため、親知らず自身が虫歯になりやすいだけでなくその手前にある非常に大切な「第二大臼歯」まで巻き添えにして虫歯にしてしまうリスクが極めて高いのです。
歯並びへの悪影響
横向きに生えている親知らずが手前の歯をぐいぐいと押し続けることで、前歯の歯並びが少しずつ乱れてきてしまう原因となることがあります。
噛み合わせの問題
まっすぐに生えてこない親知らずが向かいの歯茎や頬の粘膜を噛んでしまい、常に口内炎ができてしまうことがあります。
ご自身の判断で「問題ない」と思っていても、レントゲンを撮影してみると思わぬ問題が隠れていることは少なくありません。
まずは一度、専門家による正確な診断を受けることが重要です。
当院の親知らず抜歯:安全と痛みの軽減への徹底的なこだわり
「親知らずの抜歯はとても痛くてひどく腫れる」私たちは、患者様が抱えるこのような強い恐怖心に真摯に向き合います。
そしてその不安を安心へと変えるための徹底した取り組みを実践しています。
1. 歯科用CTによる三次元での精密診断

特に下の親知らずの根の近くには「下顎管(かがくかん)」という太い神経や血管が通っている管が存在します。
従来の二次元のレントゲン写真だけでは、親知らずの根とこの神経との立体的な位置関係を正確に把握することは困難でした。
万が一、抜歯の際にこの神経を傷つけてしまうと唇などに麻痺が残ってしまうリスクがあります。
当院では抜歯の前に必ず歯科用CTによる撮影を行い、この神経管との距離や根の複雑な形状などを三次元で正確に把握します。
この精密な術前診断こそが安全な抜歯を行うための絶対的な礎となるのです。
2. 経験豊富な口腔外科担当医による低侵襲な施術
抜歯後の痛みや腫れの度合いは手術にかかる時間や、骨や歯茎といった周囲の組織へのダメージの大きさに比例する傾向があります。
つまり、いかにスムーズにそして最小限の侵襲で抜歯を終えるかが患者様のご負担を軽減するための鍵となります。
当院では大学病院の口腔外科などで数多くの難症例を経験してきた歯科医師が、精密な診断に基づいて的確かつ迅速な抜歯を行います。
3. 痛みを和らげるための麻酔への配慮

外科処置であるからこそ麻酔は特に丁寧に行います。
まず歯茎に表面麻酔のジェルを塗り、注射針を刺す感覚を和らげます。
そして電動麻酔器を用いて一定の速度でゆっくりと麻酔液を注入することで、麻酔時特有の不快な圧迫痛も最小限に抑えます。
手術中に痛みを感じることはほとんどありませんので、ご安心ください。
4. 抜歯後の注意点と安心のアフターフォロー
抜歯後の痛みや腫れはいつ頃がピークでどのくらい続くのか。
また抜歯した穴の治りが悪くなる「ドライソケット」という偶発症を防ぐためには、どのようなことに気をつけるべきか。
私たちは術後の経過について事前に詳しくご説明することで、患者様の不安を少しでも和らげるよう努めています。
もちろん痛み止めのお薬を適切に処方し、万が一術後に何かトラブルが起きた際にも迅速に対応できる体制を整えています。
お口の中のできもの(腫瘍):見逃さないための早期発見
お口の中にも皮膚や他の臓器と同じように、様々な「できもの(腫瘍)」ができることがあります。
そのほとんどは害のない良性のものですが、ごく稀に「口腔がん」という悪性の腫瘍である可能性も否定できません。
このような症状はありませんか?
- 2週間以上経っても治らない口内炎がある
- お口の中に赤いや、あるいは白いただれた部分がある
- お口の粘膜に硬いしこりのようなものを感じる
口内炎は通常1~2週間で自然に治癒します。
もしそれ以上長く続く、あるいは徐々に大きくなるような場合はご自身で判断せず、必ず専門家の診査を受けてください。
当院では通常の歯科検診の際にも、お口の粘膜に異常がないかを注意深く観察しています。
そして少しでも疑わしい所見が見られた場合には、組織の詳しい検査などが可能な提携する大学病院や専門の医療機関へ速やかにご紹介する体制を整えています。
当院は地域の皆様にとっての「口腔がん検診の入り口」としての役割も担っているのです。
大学病院レベルの知識と技術をもっと身近な場所で

口腔外科の治療は大学病院などの大きな医療機関でしか受けられないと思われている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし当院には大学病院の口腔外科で研鑽を積んだ歯科医師が複数在籍しており、一般的な歯科医院では抜歯が難しいとされる深く埋まった親知らずの抜歯などにも院内で対応することが可能です。
「まずはかかりつけの歯科医院で相談したい」「大きな病院に行くべきかどうか、専門家の意見を聞きたい」
そのような場合も、まずは私たちにご相談ください。
皆様がより安心してそして身近に専門的な口腔外科医療を受けられるように。
それが私たちの目指す歯科医院の姿です。